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ごま油のお話お料理活用術

天ぷらアレコレ
天ぷらをおいしく揚げる
  • 揚げたての天ぷらの芯のほうは、ジャストのレアな状態。余熱でも火が入ることを計算づくで油から引きあげるのが、職人のワザ。天ぷらは供された瞬間が「美味の頂点」。
  • ベストの温度で最高の状態に揚がった天ぷらは、全体にまんべんなく小さい衣が立っている。このきすの天ぷらが好例。透けるようにはかない小さい衣が屹立した会心の揚がり。
  • 卵と水を混ぜ、薄力粉を溶くだけ。シンプル極まりない衣で覆われた素材が、油の中で美味な天ぷらに昇華。軽い衣に禁物のグルテンを抑えるため、材料を冷やしておき、太い溶き箸でさっと混ぜる。
  • 油は衣に、そして素材に香りやうまみを移す「調味料」でもある。関東は圧倒的にごま油支持が多く、しっかり香りを移す太香胡麻油派、うまみをのせる太白胡麻油派、独自のブレンド派などさまざま。
  • はぜの天ぷらの威勢よく開いた尾!海老やめごちなども同様、活きのいいねたはそれを象徴するかのように、揚げると尾が見事に開く。もちろんカリカリに揚がった尾はおいしく食べられる。
  • 穴子は最高温度で、かつ時間をかけてじっくり揚げる職人が多い。揚げ色も濃くきつね色に。独特の匂いや脂肪を美味しさに変化させ、ぬめりのある皮までカリッと揚げるには、熟練した技術が必要。

活きのいい江戸前ねた。つまり東京湾でとれる魚介類を揚げるのが、本来の江戸前天ぷらの姿。四つの河川が流れ込む江戸前の海は、海水と淡水が交差する絶好の漁場なのです。ねたは江戸時代から変わらず、体長20cmほどの小ぶりな魚介が揚げられてきました。昔ほど漁獲がなく稀少品となりましたが、江戸前ねたはなお健在。機会があればぜひご賞味を。

天ぷら雑学
  • 江戸時代、天ぷらは
    屋台のファーストフードでした

    歌川広重「東都名所 高輪廿六夜待遊興之図」(部分)
    東京都江戸東京博物館
    Image:東京都歴史文化財団イメージアーカイブ 
    解説協力/藤澤 茜(浮世絵研究家)

    天ぷらってちょっと敷居が高い…と思っていらっしゃる方、この浮世絵をごらんあれ。天ぷらは江戸時代から食べられ、そもそもは屋台の大衆食でした。屋台は橋のたもとや縁日や行事など人が集まるところには欠かせない存在で、中でも天ぷらは人気だったようです。中央の天ぷら屋台をのぞいてみると、熱々に揚げた天ぷらが並べられ、あとは大きなどんぶりに入った天つゆと、大根おろし。お客は好みの天ぷらを選んで自分で串でさして天つゆに浸し、大根おろしをのせて食べていたといわれています。当時の天ぷらは1ねた4文ほど。1文は現在の2〜2円にあたるので、ひとつ食べて80円くらい。おつかいにでた小僧がつい買い食いしてしまうというエピソードもあるくらいなので、商店街のそうざい店でコロッケを買うような感覚だったのでしょうか。当時の揚げ油はごま油が多かったようで、屋台からただよってくる芳香はさぞかし江戸の人々の食欲をかき立てたことでしょう。

    東京「深川江戸資料館」にある、天ぷら屋台の復元。江戸っ子はごま油で揚げた天ぷらが大好きだったのだ。

  • 天丼には濃いめのごま油と丼つゆ

    天丼の発祥は定かではありませんが、おそらくせっかちな人が、ごはんの上に天ぷらをのせてかき込んだのがはじまりではないかといわれています。ごま油で濃いきつね色に揚げた熱々の天ぷらを、丼つゆにジュッと浸してごはんの上にのせるスタイルは昔も今もあまり変わらず、関東ではもっぱらこの濃口の天丼が好まれています(ちなみに関西の天丼はより淡口)。通の中には、丼のふたはしばらく開けず、天ぷらの香りや丼つゆがごはんに十分に行きわたってから食す人もいるとか。

  • 野菜天ぷらは「新参」ねた

    その昔江戸時代から明治の頃までは、野菜の天ぷらは"天ぷら"とは呼ばれず、精進揚げとして別モノ扱いでした。天ぷらといえば、それは江戸前の魚介ねたを指し、野菜は"格下"だったのです。時代が変われば価値観も変わるもの。いまや野菜は旬を表現する素材として欠かせず、魚だけでは地味な色合いになりがちな天ぷらに彩りを添えています。産直のブランド野菜や洋野菜もおなじみです。

  • 天ぷらには赤だし味噌汁!?

    そういえば、天ぷらの締めの定番といえば、しじみの赤だし味噌汁。これは赤味噌のキリッとした濃い風味で、口の中の油をすっきりとさせるためだとか。また、しじみは昔から身体によい食材として知られていたため、油ものを食べたあとに胸焼けしたりしないようにと考えられた食い合わせのようです。とはいっても、これはまだ油の製造技術が未発達だった昔のこと。いまはこのような心配はありませんが、長年の習慣として赤だし味噌汁をだすことが多いのです。

  • 「天ぷら」とはこういう調理法

    天ぷらは「油を通して表現する」調理法といわれます。素材をごく薄い衣で包み、熱した油に投じることによって加熱します。素材は衣の膜で覆われているので、揚げ物とはいっても、なかば"蒸し調理"の状態に。火がダイレクトに入らないので、素材にやさしく熱が伝わり、香りは衣の中に閉じこめられます。と同時に、薄い衣は素材からでる水分を外にだし、一方、油は衣に浸透しつつ素材に到達します。この"出入り"のバランスが天ぷらの妙。だからこそ、揚げ油はおいしさを決めるポイントなのです。天ぷら職人にたずねると、「天だねと揚げ油はどちらも甲乙つけがたいほど重要」と答えるはず。いい油を使えば、天ぷらはまちがいなくおいしくなるのです。

  • かならずはじめにでてくる海老、
    なぜ?

    この答えは「日本人は海老が大好きだから」に尽きます。もったいぶらずに、はじめから一番人気のねたをおだしするのです。一尾でなく、二尾続けてだす店が多いのも、海老人気ゆえ。赤く揚がった色が美しいので、食事のはじめの印象をよくするためでもあるとか。とくに昔は天ぷらといえばもっぱら魚介を揚げていたので、地味な色合いの中で海老はさぞかし映えたのでしょう。一方、穴子はたいがい終盤にでてくるもの。これは穴子は天ぷらの中ではもっとも高温でじっくりと揚げるので、揚げ油が疲れやすいためだそうです。こういった流れは職人の間で長年にわたって受け継がれてきたのです。

  • 江戸前天ぷらはごま油

    関東の天ぷらはもっぱらごま油。香り立つ芳香は江戸前天ぷらの代名詞です。ですが、「ごま油」といってもごまを搾る前の焙煎具合によって、濃さもいろいろあるのです。野菜に合わせて軽めのごま油を使ったり(ほんのり香ばしい揚がりに)、昔のままに濃口のごま油で揚げたり(香りだけでなくコクもある天ぷらに)、さまざまなごま油使いがあります。天ぷらも全般的にライト志向ですが、軽くてもおいしく揚げるためにこそ、ごま油は健在なのです。

マナー

天ぷらを臆することなく食べるためのマナーをいくつか。まず、天ぷらは供されたらすぐに食べるのが一番。通は目の前に置かれた瞬間には箸をのばしています。ただし、ねたによっては内側が熱々なものもあります。こういう時は職人さんが「中が熱いですから注意してください」とひと言添えてくれるはずですから、しばし待ってからいただきましょう。次に、塩、天つゆのどちらで食すべきか。職人さんがねたごとにすすめてくれる場合もありますが、基本的にはどちらが正しいということはなく、お好みでよいのです。もともと塩で食べるのは関西からきた習慣で、ごま油の香りをきかせる関東では天つゆで食べるのが常でした。海老は塩がいいとか、穴子やかき揚げは天つゆに限るだとか、人それぞれにこだわりがあるのです。ちなみに天つゆに大根おろしがつきものなのは、大根に含まれるジアスターゼが食後の消化をよくするためと、天つゆをからみやすくするためなのだとか。

天ぷら店でBGMが流れているのは稀。それは職人が五感を駆使して揚げているためで、耳で油の温度や状態を聞き分け、目で見て、箸で触れておいしさの瞬間を見極めている。チンチンと油温が上がる音や、ねたを投じた時のシャーッと軽快な音が、いわばBGMがわりだ。

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