ごま油をお菓子づくりに使う試み
ごま油をお菓子づくりに使う試み

「ごま油でお菓子!?」というのが、少し前までの常識。
ところがこの数年、ごま油を取り扱う製菓問屋さんもちらほらでてきて、プロのパティシエにごま油が注目されはじめています。

  • 液体油脂である。この効果は「パータ・ジェノワーズ」や、ごま油を使う代表的なお菓子であるシフォンケーキに顕著。
  • 油脂全般の中でも酸化しにくく、とくに高温加熱に強い。つまり、焼成などの加熱工程を経て時間がたっても、油焼けしたようなにおいがしたり、油っぽくなったりしにくい
  • さらりとしていて、口の中や唇にベタつきが残りにくい。お菓子の味わいもさっぱり。
  • 植物性油脂でノーコレステロール。ごまは健康食材としての認知度が高く、ゴマリグナンの抗酸化性なども注目されているため、「ヘルシーなお菓子」としてアピールできる。
  • 常温で保管できる。そのまま注ぐだけで使える。

以上の特長を踏まえた上で、ごまテイストを求める場合はごまを焙煎した茶色い「太香胡麻油」を、ごまの風味を求めない場合はごまを生のまま搾った透明な「太白胡麻油」を使うのがおすすめ。

  • 溶かしバターのかわりに太白胡麻油を使って

    パータ・ジェノワーズ
    (スポンジ生地)

    全卵と砂糖を泡立て、薄力粉と溶かしバターを加えるのが、パータ・ジェノワーズの一般的なレシピ。この溶かしバターを「太白胡麻油」に置きかえるとどうなるか……ふわりと柔らかく、口の中ですっと溶けるような軽い生地になりました。
    この柔らかい焼きあがりは、「太白胡麻油」が液体油脂であることが理由です。
    バターは固形油脂なので、焼成後に生地を冷ましたり、冷蔵ショーケースで保管したりすると、溶けていた状態から固形化します。これにともなって生地が若干締まるのです。その点、液体油脂は焼成前も後も同じ状態なので、焼きあがりの柔らかい状態が持続します。
    生地にごまの香りはしません。これは「太白胡麻油」だからこそのメリットで、スポンジ生地に使う油脂として有効です。

    太白胡麻油のパータ・ジェノワーズで…

    季節のショートケーキ

    ショートケーキに使う生地といえば、パータ・ジェノワーズ。「太白胡麻油」でつくったジェノワーズ生地を1.5㎝厚さにスライスし、乳脂肪分35%の軽い生クリームとグラニュー糖をゆるめに泡立てたクレーム・シャンティイと季節の果物をはさんでコーティング。生地もクリームも軽く、すっと溶けるような口溶け。「ジェノワーズ生地を太香胡麻油でつくり、クレーム・シャンティイにもエッセンスとして太香胡麻油を少量加えて"スペシャルごまショート"にしてもいいかも」(神田氏)。

    パータ・ジェノワーズの作り方

  • バターのかわりに太白胡麻油を使って

    パータ・シュー(シュー生地)

    バターを「太白胡麻油」に置きかえてパータ・シューをつくると、薄くよくのびて膨らみ、軽い食感に焼きあがります。神田氏の試作によれば、「生地の内側も大きくきれいに空洞があき、仕上げのクリームが詰めやすい」そうです。
    「太白胡麻油」なので、パータ・シュー自体にはごまの味や香りは感じません。バターでつくる場合と比較すると、よりさっぱりとして、小麦粉の香りが生きてくるような焼きあがりです。今回は白・黒ごまを入れて焼き、"ごま"シューであることをアピールしました。
    シュー生地の一般的なレシピでは、はじめに水やバターを沸騰させて同時にバターを溶かしますが、「太白胡麻油」を使うと、この時間や手間を省けるのもメリットです。

    太白胡麻油のパータ・シューで…

    ごまシュー

    「太白胡麻油」でつくったシュー生地に詰めたのは、ごまの香りがすばらしいクレーム・ディプロマット(クレーム・パティシエール2対クレーム・シャンティイ1で混ぜたもの)。クリームの仕上げにエッセンスとして、「太香胡麻油」を少量加えています。「太香胡麻油」を"ごまエッセンス"として製菓に使うのは、斬新な視点。効果大です。

    パータ・シューの作り方

  • チョコレートに太香胡麻油を配合して
    ホロホロ食感に

    ロシェ(チョコレート)

    チョコレートは冷やせば固まりますが、液体油脂は冷やしても固まりません。そこでチョコレートの分量の一部を「太香胡麻油」に置きかえて、チョコレートとフイヤンティーヌやアーモンドをホロホロ、サクサクした食感に固めました。チョコレートだけで固めた時のガリッと硬い噛みごたえに対して、この"もろさ"は液体油脂を配合したからこそのもの。「軽くもろい食感だから、ロシェに厚みをだしてムースなどの土台にしても、食感のバランスが崩れたり、フォークがささらないなんてことがありません」(神田氏)。
    「太香胡麻油」を使ったのは、チョコレートととても相性がいいため。「太香胡麻油」の香ばしさと相まって、チョコレートの香りが長く持続します。「太香胡麻油」の香りはおだやかで上品なので、チョコレートの風味をじゃましないのです。

    太香胡麻油のロシェで…

    太白

    「太香胡麻油」と「太白胡麻油」を潜ませつつ、けっして"ごまケーキ"ではないオリジナルのフランス菓子。土台は「太香胡麻油」でつくったロシェで、その上にモカのムース、中に入れたオレンジパウンドケーキという構成。仕上げにチョコレートをピストレがけし、キャラメルを絞って白・黒ごまをちらし、上面のくぼみにもキャラメルを絞り、その上に透明な「太白胡麻油」をそのまま落としています。「この太白胡麻油は"ドレッシング感覚"。良質な油脂の効果で、キャラメルの味わいをよりなめらかに舌に伝えます」(神田氏)。口にすれば、その効果を実感。

    ロシェの作り方

  • 焦がしバターのかわりに太香胡麻油を使って

    フィナンシェ

    フィナンシェの味わいを左右するのは、香ばしく焦がして加える、焦がしバターの風味。このバターのかわりに「太香胡麻油」を使いました。「太香胡麻油」はごまの焙煎度合が浅く、おだやかで上品な香りと味わいなので、「いつもと違う風味だけど何の香り?」といった焼きあがりになります。「太香胡麻油」の香りを生かすために、くせのないタイプのアーモンドパウダーを配合するのがポイント。フィナンシェのバリエーションとして、おもしろい存在になりそうです。

    太香胡麻油の香りが主役の…

    フィナンシェ

    「太香胡麻油」の香りが独特のフィナンシェ。「太香胡麻油」とチョコレートはとても相性がいいので、チョコチップと苦みのあるカカオマスをトッピングし、香りをさらに引き立てています。ごま油は数ある油脂の中でも高温加熱に強く、酸化劣敗しにくいので、焼き菓子に最適。おいしさが長もちします。

    フィナンシェの作り方

  • 太白胡麻油

    ごま油を使っているのにごまの風味を感じさせず「かくし味」というか「かくし役割」として活かす場合

    「太白胡麻油」の一番のメリットは、液体油脂であり、かつごまの香りがしないこと。僕は日頃から、軽いけれど印象的なお菓子をつくりたいと思っているので、「ジェノワーズ」に液体油脂を使うのは理にかなった選択といえます。通常の溶かしバターを配合すると、生地を焼いて冷まし、さらに冷蔵ショーケースに入れて保管すると、液状だったバターが固形化するため、どうしても少し締まります。これを避けるためには液体油脂であるごま油は有効で、しかもサラダ油より上質。太白胡麻油でつくったパータ・ジェノワーズを食べて、ごま油を使っていると気づく人はいないでしょう。これが太白胡麻油の強み。ごまらしさがないからこそ、高品質の液体油脂として、製菓における可能性が大きいと思います。

    太香胡麻油

    ごまの風味をアピールしたい場合

    「太香胡麻油」はいわゆるごま油の香ばしい香りがしますが、焙煎が浅いのでおだやかな風味です。この上品な香りが幸いして、製菓でもいい役割を演じられます。僕がいま一番考えているのは、太香胡麻油を油脂としてとらえず、香りのいい"エッセンス"として仕上げに少量加えること。「ごまシュー」に詰めたクリームで試したら、これがとてもいい香り。香りは立つのに、ベタベタと油っぽくならないのが気に入りました。

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